大阪日日新聞に連載されました(3)
4月24日の大阪日日新聞に、当事務所弁護士作成の、以下の記事が掲載されましたので、お知らせします。
こちら街角弁護士相談室
【質問】
母の銀行預金を引き出そうと思いますが、母は高齢で認知症の症状が出ています。このような場合、家庭裁判所で、成年後見人を選任したほうがよいのでしょうか。
【お答え】
病気や障害等により判断能力が失われたり、判断能力に不安がある人の行為を支援するために、成年後見、保佐、補助という3つの制度があります。家庭裁判所によって、成年後見人・保佐人・補助人のいずれかが選任されると、本人に代わって銀行預金の引出し・解約や、財産の処分、契約の締結等ができるようになります。
しかしながら、認知症であるからといって、必ずしも成年後見の制度を利用しなければならないわけではありません。本人に判断能力が残っている場合は、自ら銀行に赴いたり、委任状を作成して預金の引出しを行うことも可能です。
ただし、成年後見の制度を利用せずに、他人が関与して預金を引き出した場合、認知症の症状によっては、預金の引出し行為自体が無効とされ、後々トラブルになるおそれがあります。
また、一般の人が、本人の判断能力があるかどうかを見極めること自体、困難な場合が少なくありません。
他方で、いったん成年後見の制度を利用すると、後見人等に選任された方は、本人の財産を適正に管理し、毎年報告書を提出する義務や責任が生じます。
成年後見の制度を利用したほうがよいかどうかは、事案ごとに変わりますので、まずは弁護士に相談してみることが一番でしょう。
安達悠司(安達法律事務所・京都弁護士会所属)