BLOG ブログ

弁護士ブログ

大阪日日新聞に連載されました(3)

4月24日の大阪日日新聞に、当事務所弁護士作成の、以下の記事が掲載されましたので、お知らせします。

大阪日日新聞R020424

 

こちら街角弁護士相談室

 

【質問】

母の銀行預金を引き出そうと思いますが、母は高齢で認知症の症状が出ています。このような場合、家庭裁判所で、成年後見人を選任したほうがよいのでしょうか。

 

【お答え】

病気や障害等により判断能力が失われたり、判断能力に不安がある人の行為を支援するために、成年後見、保佐、補助という3つの制度があります。家庭裁判所によって、成年後見人・保佐人・補助人のいずれかが選任されると、本人に代わって銀行預金の引出し・解約や、財産の処分、契約の締結等ができるようになります。

 

しかしながら、認知症であるからといって、必ずしも成年後見の制度を利用しなければならないわけではありません。本人に判断能力が残っている場合は、自ら銀行に赴いたり、委任状を作成して預金の引出しを行うことも可能です。

 

ただし、成年後見の制度を利用せずに、他人が関与して預金を引き出した場合、認知症の症状によっては、預金の引出し行為自体が無効とされ、後々トラブルになるおそれがあります。

 

また、一般の人が、本人の判断能力があるかどうかを見極めること自体、困難な場合が少なくありません。

 

他方で、いったん成年後見の制度を利用すると、後見人等に選任された方は、本人の財産を適正に管理し、毎年報告書を提出する義務や責任が生じます。

 

成年後見の制度を利用したほうがよいかどうかは、事案ごとに変わりますので、まずは弁護士に相談してみることが一番でしょう。

 

 

 

安達悠司(安達法律事務所・京都弁護士会所属)

過去の日弁連意見書・声明紹介(全戦犯の赦免勧告等)

日本弁護士連合会は、昭和27年(1952年)6月21日、「平和条約第11条による赦免の勧告に関する意見書」を採択・公表し、政府に対し、全戦犯について赦免の勧告を為すよう求めている。

日弁連のウェブサイト上では見当たらなかったため、ここに引用して掲載する。

日弁連は、連合国によって「戦犯者」とされた日本人の救済のために尽力した歴史があったのである。

なお、これに先立ち、日弁連は、昭和27年2月23日、GHQに対しても、連合国総司令官宛の戦犯者赦免嘆願書を提出している。さらに、同年3月には、政府に対し、全国戦犯者家族及び弁護士会員約3万3000名署名の戦犯者赦免請願書を提出し、速やかに赦免の措置を講ぜられるよう特段の尽力を懇請している。

その後、日弁連は、同年8月9日には、中国関係の戦犯釈放を受け、残る全戦犯の即時釈放を求める声明を出した(後掲)。やや中国の対応に感激し過ぎのきらいはあるが、戦犯とされた者には、冤罪や苛烈の刑であった者が少くないと指摘している点が注目である。

 

以下引用

 

■平和条約第11条による赦免の勧告に関する意見書

(旧漢字・旧仮名遣いは現代仮名遣いに改めた)

平和条約第11条には、日本は戦犯裁判を受諾して其の刑を執行し、戦犯の赦免、減刑及び仮出所については、日本の勧告に基いて、BC級については、其の刑を言渡した国々の決定、A級については、東京裁判に代表判事を送った国の過半数の決定によるということになっている。

しかしながら平和条約がその効力を発生した以上、戦争犯罪人は全部これを釈放するのが講和特に和解の講和の原則であらねばならぬ。

国際連合憲章の前文にも「善良なる隣人として互に寛容を実行し云々」とあり、又現に近くその効力を発生せんとする日華条約においてもこの原則を明らかにしている。

然るに何故に平和条約第11条が、戦犯の釈放・減刑等について条約の効力が発生してなお関係国の同意を得ることを要するものとしたかというに、平和条約は調印国の過半数が批准書を寄託すれば、その効力を発生するということになっているが、条約発効後においてもなお批准書を寄託していない国もあり得るし、しかもその未批准国に関係を有する戦犯のある場合には、その国の利害や国民感情を尊重する必要もあるとみたからであろう。

併し、既に批准書を寄託した国々は、日本と個々の講和を締結したと同様の結果になるから、これらの国々は講和の原則に従って戦犯を釈放する用意のあるものと理解することができる。そうして戦犯に関係のある国で既に批准書を寄託した国は、米、英、仏、濠、蘭の5ケ国であるから、これらの国に対しては全戦犯の赦免を勧告し得るものと云わねばならない。

又A級については東京裁判に代表判事を送った11ケ国(現在はソ、中、印を除く8ケ国、但し中、印は単独講和)の過半数である米、英、仏、濠、蘭、加、新の7ケ国が批准書を寄託しているから、A級についても赦免勧告の態勢が整ったと云うことができる。

然らば日本政府が如何なる時機に一般赦免の勧告をなすべきかというに、それは国内の輿論、即ち国民大多数の意思がそれに到達した時期とみるべきである。

そうして、既に批准書を寄託した国々は戦犯釈放に異議がない筈であるが、もしも日本の輿論がこれに傾いていないのに、一方的に釈放することは日本の国民感情を無視する虞れがあるとみたからではなかろうか。従って平和条約第11条は日本に対して思いやりの深い規定であると思われる。

そうして、国会は日本国民の総意を代表する機関であり、しかも衆・参両院が党派を超越して大多数をもって戦犯赦免の決議案を可決した以上、戦犯釈放に関する国民の総意はこれによって決定されたというべきである。従って戦犯赦免の勧告は今や十分にその時期に達しているということができる。

なお、昭和27年法律第103号「平和条約第11条に関する法律」は平和条約第11条運営の為めに作られた法律であるが、その内最も中心を為すものは「赦免」である。

然るに政府は同法の運営において、減刑又は仮出所の方式によって順次これを釈放せんとする方針のようであるが、減刑又は仮出所はアメリカの管理中でもやっていたことで、敢て平和条約を俟つまでもない。

殊に政府が目下着手しつつある仮出所は、巣鴨に居る刑期3分の1以上を経過した、刑期18年以下の約280名を対象としているのであって、別に恩赦というほどのものではない。現在巣鴨にはこの外に、刑期19年以上50年以下の者が約330名、終身刑の者が334名居る。

又比島とマヌス島には有期刑226名、終身刑32名、死刑59名の多きに達している。

これら合計981名の者はいつになったら自由の身になり得るのであろうか。これらの人々にこそ政府は深く思いを致すべきである。平和条約第11条は、これら仮出所のできない人を救わんとするのが主たる目的でなければならない。

されば、平和条約第11条は、「赦免、減刑及び仮出所」と規定して、先づ赦免を第一とし、赦免勧告の困難な国に対しては減刑を勧告し、さらに刑期の3分の1に達した者には仮出所を勧告することを明らかにしたものと云わなければならない。

上述の如く平和条約11条の恩恵は実に赦免を以てその核心を為すものである。然るに政府はその手続を躊躇していることは、温情ある平和条約の趣旨にも反し、延いては日本国憲法第98条第2項の精神にも悖るものと云わねばならぬ。

故に政府は速やかに、先ず全戦犯に対する一般赦免の勧告を為すべきである。

昭和27年6月21日

日本弁護士連合会

(昭和27年7月1日発行「自由と正義」第3巻第7号より)

 

■戦犯者の全面的特赦免を即時断行せよ

去る8月5日、日華平和条約発効と同時に中国関係戦犯者88名は釈放せられた。満州事変以来人的物的に損害を被ること最も甚大なる中国が、講和の本義に徹して旧怨を一洗し、率先して戦犯者の全面赦免を行ったことは感激の至りである。中日両国はこれを契機として今後永く精日的に結合せられるであろう。

中国の情義によって巣鴨プリズンを嬉々として出て行った釈放者の歓喜に引替え、之を見送った八百余名の残留者並びに外地被拘禁者の心中は如何ばかりであろう。BC級の中には、戦勝国の勝利の亢奮に駆られて冤罪をきせられたり、苛烈の刑に処せられた者が鮮くない。

そもそも「和解と信頼」の講和といわれるサンフランシスコ平和条約第11条の趣旨は、徒らに冷酷なる刑の執行を持続せしめんとするに非ずして、同条に規定する手続の励行により、すみやかに赦免減刑等をなさしめるにある。

よって日本政府は、連合国をして中国の例に準じ即時戦犯者の全面的赦免を断行せしめる為、懸命の努力を致されんことを全国6000人の弁護士の名において爰にこれを要請する。

昭和27年8月9日

日本弁護士連合会

(昭和27年9月1日発行「自由と正義」第3巻第9号より)

通常どおり営業中です。

安達法律事務所は、通常どおり営業中です(土日祝休み。ただし事前予約による相談等は可能)。

法律事務所及び弁護士会は、法律を通じた司法秩序の維持という公共的な役割を担っております。

中でも、債権回収、訴訟提起、差押え等への対応、不動産紛争、労働紛争、民事保全、民事執行、破産、
民事再生・個人再生、任意整理、離婚、遺言、相続、家事審判前保全、後見事務の遂行、刑事弁護、
少年付添、被害者支援その他数多くの緊急性の高い案件に備えることが必要ですが、その窓口はすべて
法律相談から始まり、また受任した業務も遂行し続ける必要があることから、法律事務所の業務は、
生活の維持に必要不可欠といえます。

したがって、本年4月7日に緊急事態宣言が発令された現在も、通常どおり、営業を行っております。
感染症予防にも努めた上、通常の法律相談、出張相談等を行うほか、面識のあるお客様については
電話・WEB会議等による相談も受けられる場合がありますので、お問い合わせください。

11月28日(木)18:30~ アットホームな勉強会のお知らせ

皆様

 

このたび、納谷社会保険労務士事務所と共同して、11月28日に

少人数の勉強会を開催いたします。

 

経営者の方にとって必要不可欠な労務管理に関する問題を取り扱います!

初めての試みですが、お気軽にどうぞ!

 

以下案内です。

—————————————————————————————————-

※11/28(木)開催!!
弁護士・社労士によるアットホームな勉強会
~働き方改革に中小企業はどう向き合うか?をテーマにわかりやすく解説~

今回、弁護士と社会保険労務士が共同して、働き方改革に中小企業はどう向き合うか?をテーマに、下記の要領で勉強会を開催することとしました。
経営者の方、会社役員の方、会社員の方、団体・法人の方、士業の方、学生の方、初めての方でも基礎から実務まで分かりやすく解説いたします。
アットホームな勉強会ですので、現行のご不安やご質問もして頂けます。
まずは、一度お越し下さい!!

◆日時◆  令和元年11月28日(木)午後6時30分~午後8時30分

◆場所◆  ウイングス京都 会議室11
〒604-8147 京都市中京区東洞院通六角下る御射山町262 番地

◆解説内容◆
①「働き方改革に中小企業はどう向き合うか?」
―年次有給休暇取得と時間外労働のための対策を基礎から実務まで解説―
解説者:納谷社会保険労務士事務所 社会保険労務士 納谷朋美

②「残業代をめぐる裁判と経営者の心得」
―労働時間管理のあり方や裁判等への対応を解説―
解説者:安達法律事務所 弁護士 安達悠司

◆会費◆  2000円(税込)

◆定員◆  20名(先着順)

◆申込方法◆
※当日参加も可能ですが、できる限りお早めに申込みをお願いします。
事前にお申込みされる方は、安達法律事務所まで、お名前、御社名・団体名、人数、電話番号をお知らせください。
申込方法① adachi@adachi-kyoto.comまで
※メールの題名に「勉強会参加希望」とお書きください。
申込方法② 安達法律事務所までお電話ください(075-221-5575)
※平日9:30-17:30の間にお願い致します
申込方法③ Facebookページで「参加予定」としてください。
https://www.facebook.com/events/437014160322195/
以上

大阪日日新聞に掲載されました(2)。

10月11日の大阪日日新聞に、当事務所弁護士作成の、以下の記事が掲載されましたので、お知らせします。

 

大阪日日新聞R011011

 

こちら街角弁護士相談室

 

【質問】

自分が死んだ後に財産を分けるため、遺言を作ろうと思います。自分で書こうと思いますが、公正証書にする方法もあると聞きました。どちらの方法がよいですか?

 

【お答え】

遺言(いごん)には、本人が自筆する手書きの遺言と、公証人役場で公正証書を作成する方法があります(それ以外にもありますが、ここでは省略します)。

 

そして、大事な遺言であれば、公証人役場で、公正証書にしておくことを強く勧めます。

 

その理由は次のとおりです。

遺言が活用されるのは、あなたの死後のことです。

ですから、自筆の場合、本当にあなたが書いたかどうか、そのときあなたがどんな状態だったか、いつ書いたのか、証明してくれる人が、誰もいないおそれがあります。

もちろん、誰かに託しておく方法もありますが、その方が今後ずっと明確に証言できる状態にあるとも限らないわけです。

 

公正証書の場合、証人2名立ち会いのもと、公証人という公務員が確認して、公文書として作成しますので、本人のものかどうか争われるおそれが格段に低くなります。

せっかく書いた遺言が、それが有効かどうかをめぐって、あとあとかえって争いの種となっては、何にもならないわけです。

 

では、自筆の遺言の使い道はないのでしょうか?

自筆の遺言のメリットは即時性、つまりすぐに作ることができるという点にあります。

公正証書を作るには、公証人役場に電話で予約したり、必要な書類を準備するのに何日もかかりますので、それまでの間、万一にそなえて一時的に作成しておくもの、としては使えると思います。

 

ただし、自筆の遺言は日付の記載や署名押印が必要とされるなど、法律上の細かい要件を満たしていなければ無効となってしまいますので、十分注意しましょう。

 

 

安達悠司(安達法律事務所・京都弁護士会所属)

カテゴリー

  1. お知らせ
  2. その他
  3. 大阪日日新聞
  4. 法律問題

最新の記事

  1. 6月25日 参政党ウェビナー「憲法と緊急事態条項の問題を考える勉強会」
  2. 12/24(土)「安達悠司講演会」のご案内
  3. 参議院選挙結果を受けまして
  4. 参議院選挙の出馬表明について
  5. 憲法十七條についての国体法勉強会(4月1日)

アーカイブ

  1. 2023年6月
  2. 2022年12月
  3. 2022年7月
  4. 2022年6月
  5. 2022年4月
  6. 2022年3月
  7. 2022年2月
  8. 2022年1月
  9. 2021年12月
  10. 2021年6月
  11. 2021年2月
  12. 2021年1月
  13. 2020年11月
  14. 2020年10月
  15. 2020年5月
  16. 2020年4月
  17. 2019年10月
  18. 2019年9月
  19. 2017年12月
  20. 2017年11月
  21. 2017年10月
  22. 2017年8月
  23. 2017年4月
< /div>

Pagetop